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はじめに―NSTとは
栄養サポートチーム(nutrition support team;NST)とは,臨床栄養管理に関する知識をもった医師,歯科医師,看護師,管理栄養士,薬剤師,臨床検査技師,理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,歯科衛生士など多職種で構成される,職種の壁を超えたチームである.1職種でも一定の臨床栄養管理を行うことは可能であるが,多職種で取り組むほうがより質の高い栄養ケアマネジメントを実践できる.NSTの主な役割を表1に示す.
日本では1970~1980年代には大阪大学医学部附属病院や天理よろず相談所病院に中心静脈栄養の管理が中心の欧米型専属チームのNSTが設立されたが,全国的な普及にまでは至らなかった1).1998年に持ち寄りパーティ方式・兼業兼務システム(potluck party method;PPM)が考案され,鈴鹿中央総合病院に全科型NSTが設立された1).2001年2月,日本静脈経腸栄養学会がNSTプロジェクトを設立した.その後,NST活動が全国の医療機関に認識され,日本静脈経腸栄養学会のNST認定稼働施設は1,400を超えた.
NSTの稼働施設認定は現在,日本静脈経腸栄養学会,日本病態栄養学会,日本栄養療法推進協議会が行っている.日本静脈経腸栄養学会と日本栄養療法推進協議会のNST稼動施設認定基準を表2,3に示した2,3).
医師,歯科医師の場合,日本静脈経腸栄養学会や日本外科代謝栄養学会の医師教育セミナーか, total nutrition therapy(TNT)研修会に参加することで,臨床栄養の基本的な知識を習得できる.前者は学会ホームページを参照していただきたい.後者は各地域のアボットジャパンの担当者に相談するとよい.
NSTの主な活動は回診,検討会,勉強会である.いずれも定期的に実施する.回診と検討会は週1~2回,勉強会は1~2か月に1回程度の施設が多いと思われる.ただし,施設の規模や依頼件数などによって,より多い施設や少ない施設もある.
NSTで行っている栄養ケアマネジメントの流れを図1に示した.詳細は本講座連載の第2回,第3回を参照して欲しい.
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