Japanese
English
特集 慢性疼痛へのアプローチ
薬物療法
Pharmacological therapy.
松尾 雄一郎
1
Yuichiro Matsuo
1
1北海道大学病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Hokkaido University Hospital
キーワード:
慢性疼痛
,
薬物療法
,
神経障害性疼痛
,
EBM
Keyword:
慢性疼痛
,
薬物療法
,
神経障害性疼痛
,
EBM
pp.745-750
発行日 2011年8月10日
Published Date 2011/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102162
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慢性疼痛の定義と分類
Bonicaは1987年に,慢性疼痛を「急性疾患の通常の経過あるいは創傷の治癒に要する妥当な時間を越えて持続する痛み」と定義した.
慢性疼痛は侵害受容性慢性疼痛,神経障害性慢性疼痛,心因性慢性疼痛に分類される1).侵害受容性慢性疼痛は術後や外傷による炎症や組織損傷などの侵害刺激により起こる侵害受容性疼痛が時間経過とともに慢性化・難治化したものである.神経障害性慢性疼痛は「神経系の一次的な損傷,あるいはその機能異常が原因となって生じた疼痛」もしくは「体性感覚系に対する損傷や疾患によって直接的に引き起こされる疼痛」と定義され,末梢神経系,中枢神経系の障害に基づき生じる.心因性慢性疼痛は感情や情動面に原因があるとされ,典型的なものでは心因的要素の大きい痛みであり,心療内科的治療に委ねることも多い.
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