特集 痛みを訴える透析患者にどう対応するか
3.痛みの治療(1)薬物療法
千葉 聡子
1
,
井関 雅子
1
1順天堂大学医学部麻酔科学・ペインクリニック講座
キーワード:
透析患者
,
慢性疼痛
,
神経障害性疼痛
,
鎮痛薬
,
オピオイド
Keyword:
透析患者
,
慢性疼痛
,
神経障害性疼痛
,
鎮痛薬
,
オピオイド
pp.1155-1164
発行日 2022年8月10日
Published Date 2022/8/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002264
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透析患者への鎮痛治療では,痛みの原因,機序を評価して薬剤を選択し,その性質に応じて用量を調節する.透析患者に対してはアセトアミノフェンが第一選択であり,鎮痛補助薬や抗けいれん薬,オピオイドなどを組み合わせる.非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は無尿の透析患者では減量不要であるが,消化管障害に注意する.オピオイドでは,フェンタニル,ブプレノルフィン,オキシコドンが比較的安全に使用できる.プレガバリン,トラマドール,モルヒネは透析患者では副作用が出やすいため慎重に用量を調節する.抗うつ薬のデュロキセチンは神経障害性疼痛に対する第一選択薬であるが,透析患者では禁忌である.
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