Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「ノーウェアボーイ」―実母ジュリアのADHD性が「ジョン・レノン」を作った
二通 諭
1
1札幌学院大学人文学部人間科学科
pp.507
発行日 2011年5月10日
Published Date 2011/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102081
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昨年末の本欄で「悪人」を取り上げ,「母親から捨てられた祐一のような場合は,一つの手として,ジョン・レノンなど同じ境遇の偉人たちの生き方を参照して人生イメージを構築していくべきだ.残念ながら,祐一の周囲には,そんなアイデアを教示してくれる友や師がいなかった」(2010年12月号)と記した.ここで指摘した「友や師」の空隙をスッポリ埋めるのが「ノーウェアボーイ」(監督/サム・テイラー=ウッド)だ.タイトルの意味は,「居場所のない少年」とか「落ちこぼれ少年」といったものになるだろう.
ビートルズのジョン・レノンと言えば,母親から二度捨てられた,ということでも有名だが,本作はそのいきさつを描いたという点で出色である.
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