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実践講座 地域連携パス・第1回【新連載】
地域連携パスの概況
Current status of community liaison(local healthcare networking).
辻 哲也
1,2
Tetsuya Tsuji
1,2
1慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室
2慶應義塾大学医学部腫瘍センターリハビリテーション部門
1Department of Rehabilitation Medicine, Keio University School of Medicine
2Division of Rehabilitation Medicine, Cancer Center, Keio University School of Medicine
キーワード:
データベース
,
機能評価
,
日常生活活動(ADL)
,
クリニカルパス
Keyword:
データベース
,
機能評価
,
日常生活活動(ADL)
,
クリニカルパス
pp.49-55
発行日 2011年1月10日
Published Date 2011/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101938
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はじめに
2006年6月に「良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を改正する法律案」(医療制度改革法案)が成立し,そのなかで「医療機能の分化と連携」がこれから目指す医療の大きな柱の一つとして示された.各都道府県では,従来,二次保健医療圏のなかで各医療機関がばらばらに急性期や回復期を担当しており,相互の連携なく存在しているという状態であった.しかし,今後,都道府県が主体となって策定することになる医療計画においては,既存の二次医療圏にとらわれずに,実際の患者の診療・受療行動にマッチした日常医療圏において,それぞれの施設が自らの機能を明示しながら,有機的に連携することが求められている1).
また,2006年の診療報酬改定で大腿骨頸部骨折を対象疾患として,地域における医療機関相互の連携を評価する「地域連携診療計画管理料」が新設された.2007年4月施行の第5次改正医療法では,「地域医療連携については,地域連携クリニカルパスの普及などを通じた連携体制の確立を図るため,診療報酬上の評価等によりその支援に努めること」と明記され,2008年の診療報酬改定では,対象疾患として脳卒中が加わった.連携パスの普及などを通じて医療機能の分化と連携を図ろうとする医療行政上の施策とあいまって,地域における診療連携ネットワークの形成を重視する流れは加速してきている.
本稿では,地域連携を実施するうえでの重要なツールである地域連携パスの概要について,脳卒中を中心に解説する.
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