Japanese
English
特集 BMIとリハビリテーション
現在と未来
Brain machine interface(BMI):present and future.
正門 由久
1
,
牛場 潤一
2
Yoshihisa Masakado
1
,
Junichi Ushiba
2
1東海大学医学部専門診療学系リハビリテーション科学
2慶應義塾大学理工学部生命情報学科
1Department of Rehabilitation Medicine, Tokai University School of Medicine
2Department of Biosciences and Informatics, Faculty of Science and Technology, Keio University
キーワード:
brain machine interface(BMI)
,
運動出力型BMI
,
機能代償型BMI
,
機能回復型BMI
Keyword:
brain machine interface(BMI)
,
運動出力型BMI
,
機能代償型BMI
,
機能回復型BMI
pp.1019-1024
発行日 2010年11月10日
Published Date 2010/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101887
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はじめに
Brain machine interface(BMI)とは,脳活動を読みとり,そこから得られた情報に基づいて機器を操作する技術の総称である.医療分野では,中枢神経疾患,神経筋疾患,外傷などにより失われた機能を援助することや回復させることが期待されている.
BMIという呼称は脳と機器が連動するシステム全般を指しており,脳に対する作用の仕方から,機械から脳へ情報を送る「感覚入力型BMI」,脳内の情報処理過程に機械が関与する「介在型BMI」,脳から機械へ情報を送る「運動出力型BMI」に分類できる.このうち,感覚入力型BMIおよび介在型BMIは,すでに臨床応用が進んでいる.聴覚障害者の蝸牛に電極を挿入し,マイクロフォンでの集音結果に応じて聴覚神経を電気刺激することで聴覚を再建する人工内耳システム1)は,感覚入力型BMIと言える.また,パーキンソン病やジストニアでは,不随意運動を治療する方法として,視床下核や淡蒼球への脳深部刺激療法(deep brain stimulation;DBS)が行われており2),感覚運動系の情報処理過程を調節する一種の介在型BMIと言える.
これに対して運動出力型BMIは,いまだ臨床応用を果たすには至ってはいないものの,近年,その研究が進んでいる.本稿では,運動出力型BMIを中心に,現在用いられている方法とその臨床応用を紹介する.さらに,運動出力型BMIのリハビリテーションにおける試みと展望を紹介する.
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