Japanese
English
特集 リハビリテーションとマネジメント
医療の質のマネジメントとP4P
Quality management of medical services and pay for perfomance(P4P).
鄭 丞媛
1
,
近藤 克則
1
Seungwon Jeong
1
,
Katsunori Kondo
1
1日本福祉大学健康社会研究センター
1Center for Well-being and Society, Nihon Fukushi University
キーワード:
医療の質
,
P4P
,
医療マネジメント
Keyword:
医療の質
,
P4P
,
医療マネジメント
pp.929-934
発行日 2010年10月10日
Published Date 2010/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101868
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はじめに
医療の質の向上は先進諸国共通の課題である.そのための取り組みの1つにP4P(pay for performance)がある.
海外に目を向けると,P4Pは,米国,イギリス,オーストラリア,台湾などでそれぞれ自国の医療制度や医療提供体制に合わせて導入されている.
日本でも,2008年に厚生労働省は,P4Pとみなせる「医療の質に基づく支払」方式を,回復期リハビリテーション病棟の診療報酬に試行的に導入した.日本リハビリテーション医学会の調査(2009年)1)では,P4Pの導入による患者の選別の可能性が指摘されたものの,中央社会保険医療協議(以下,中医協)の「回復期リハビリテーション病棟入院料において導入された『質の評価』の効果の実態調査報告書」(2010年)2)では,そのような事実は確認されなかったとして,2010年の診療報酬改定においても一部基準の見直しが行われたうえで継続されることになった.
本稿では,こうした国内外のP4Pの動向と,導入による医療の質向上についての検証結果に関して紹介し,医療の質のマネジメントとP4Pの課題について考察したい.
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