Japanese
English
調査
脳腫瘍開頭術後患者の入院リハビリテーションの機能的帰結
Functional outcomes in patients with brain tumors after inpatient rehabilitation.
和田 勇治
1
,
赤星 和人
1
,
永田 雅章
1
Yuji Wada
1
,
Kazuto Akaboshi
1
,
Masaaki Nagata
1
1市川市リハビリテーション病院
1Ichikawa City Rehabilitation Hospital
キーワード:
脳腫瘍
,
FIM
,
入院リハビリテーション
,
脳外傷
Keyword:
脳腫瘍
,
FIM
,
入院リハビリテーション
,
脳外傷
pp.275-280
発行日 2010年3月10日
Published Date 2010/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101729
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要旨:〔目的〕脳腫瘍開頭術後患者に対してリハビリテーションを行い,その変化について後方視的に検討した.〔対象〕1998年9月から2006年12月までに当院を入退院した脳腫瘍開頭術後(BT)患者全23例のうち,医学的な理由で途中転院した2例を除外した21例(男性8例,女性13例.平均年齢48.4±21.9歳)を対象とした.〔方法〕概要および入退院時のFIM(Functional Independence Measure)を比較した.次に,脳外傷(TBI)患者59例を対照として,FIMを用いてADLの変化について検討した.〔結果〕初発15例,再発6例であった.神経膠腫6例,髄膜腫4例,その他11例で,良性群11例,悪性群10例であった.自宅退院率は86%であった.よく認められた症状は運動麻痺,感覚障害,高次脳機能障害の順であった.退院時のADLは入院時より有意に改善していた.TBI群と比較すると,入退院時の認知項目以外は差を認めなかった.良性群と悪性群に分けた検討,初発群と再発群に分けた検討では差を認めなかった.年齢による検討では入院時の運動項目において若齢群が有意に高かったが,他の項目では明らかな差を認めなかった.〔結語〕BT群でもTBI群と同等の,また再発群でも初発群と同等のADL改善を望めるものがあると思われた.組織学的,臨床的な悪性度や年齢とADL改善には明らかな関連性は認めなかった.
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