学会報告
第66回神奈川リハビリテーション研究会
佐鹿 博信
1
1横浜市立大学医学部リハビリテーション科
pp.1082-1084
発行日 2009年11月10日
Published Date 2009/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101647
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1.外傷後に不随意運動を生じた慢性期視床出血の1例
横浜市立大学附属病院リハビリテーション科
高田 薫子・水落 和也・横井 剛
花田 拓也・野一色咲月・福 みずほ
菊地 尚久・井畑 眞紀
症例は71歳,男性で,視床出血による中等度左片麻痺の既往があり,軽度の不随意運動を認めた.200X年,自宅で転倒し,左上下肢の痺れと不随意運動が増悪し,立位不能となり,当科入院となった.入院時,左上下肢の深部感覚障害は重度鈍麻~脱失,左上下肢に舞踏病様運動を認め,両手動作・歩行を阻害した.理学療法では,立位・歩行時の重心位置に留意し,リズムをとるために号令を掛け,反復運動を行った.作業療法では,視覚的バイオフィードバックを利用して両手動作を行わせた.集中訓練により左上肢使用時の不随意運動は減少し,独歩可能となった.退院5か月後に転倒し,不随意運動が悪化したが,再度同様の訓練を行ったところ,杖歩行可能となった.不随意運動増悪の原因として,外傷をトリガーとした中枢神経の興奮性増加が考えられた.
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