Japanese
English
特集 リハビリテーション医療の質と効率
EBMとガイドライン
Evidence based medicine and clinical guideline.
福田 敬
1
Takashi Fukuda
1
1東京大学大学院医学系研究科臨床疫学・経済学
1Department of Health Economics and Epidemiology Research, School of Public Health, The University of Tokyo
キーワード:
EBMの実践
,
診療ガイドライン
,
クリニカル・エビデンス
,
エコノミック・エビデンス
Keyword:
EBMの実践
,
診療ガイドライン
,
クリニカル・エビデンス
,
エコノミック・エビデンス
pp.403-406
発行日 2009年5月10日
Published Date 2009/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101502
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医療サービスの質と効率
医療の質の要素には,「技術的要素」と「人間関係的要素」があるとされる.医療は専門職による専門技術であるため,技術的要素,すなわち「腕がいい」ことは重要である.ただし,専門的技術を提供する相手は人間であり,同時に人間関係的要素,すなわち患者とのコミュニケーションや相互の信頼なども重要である.
また,医療の質を評価する側面として,「構造(ストラクチャー)」,「過程(プロセス)」,「結果(アウトカム)」の3つが挙げられる.「構造」は投入される資源や組織体制などを評価するもので,具体的には設備や職種別の人員,組織図,手順書などの評価が挙げられる.構造からの評価は客観的で,第三者からの評価がしやすいという長所がある.「過程」からの評価は,実際に提供されているケアを評価するもので,構造からの評価よりも直接的である.医療機関においては,ケースカンファレンスなどで個々の症例について,治療法や経過などを評価しながら医療提供を実施する.場合によっては診療録などの記録から医療のプロセスを評価することもできる.「結果」からの評価とは,患者の医療提供後の状態を用いて評価するものである.医療は患者の状態を向上させることが目的であり,患者の状態,あるいは患者の満足度などを用いて質を評価することができる.ただし,評価に際しては課題もある.代表的なものとして,患者の元の状態の違い(ケースミックス)がある.
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