REVIEW & PREVIEW
EBMと診療ガイドライン
中山 健夫
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1京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻健康情報学分野
pp.1079-1081
発行日 2012年6月10日
Published Date 2012/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402106007
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最近の動向
近年,医療の各領域において根拠に基づく医療(evidence-based medicine:EBM)の考え方,さらにEBMを用いた診療ガイドラインの作成・利用が普及しつつある.診療ガイドラインは米国医学研究所の定義によると「特定の臨床状況のもとで,臨床家と患者の意思決定を支援する目的で,系統的に作成された文書」(1990)であり,そして「エビデンスのシステマティックレビューに基づき,患者ケアの最適化を目的とする推奨を含む声明書」(2011)である.診療ガイドラインの作成方法としては,EBMの精緻な方法論を基盤としたGRADE法が注目されている1).
現在,国内では公益財団法人日本医療機能評価機構の医療情報サービス事業(Minds)が,各領域の根拠に基づく診療ガイドラインや関連情報を提供している.サービス利用は医療者・非医療者問わず無料であり,重要かつ有用な医療情報源として整備されつつある(図1).
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