Japanese
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増大特集 リハビリテーション医学2007―最近10年の動向とエビデンス
リハビリテーション・アプローチ
誤嚥性肺炎
Aspiration pneumonia.
藤谷 順子
1
Junko Fujitani
1
1国立国際医療センターリハビリテーション科
1Department of Rehabilitation, International Medical Center of Japan
キーワード:
誤嚥
,
誤嚥性肺炎
,
嚥下障害
Keyword:
誤嚥
,
誤嚥性肺炎
,
嚥下障害
pp.1131-1137
発行日 2007年10月10日
Published Date 2007/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101076
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近年の研究の動向
嚥下障害に対して耳鼻科,リハビリテーション科,歯科などさまざまな科がそれぞれのバックグラウンドをもって関わっているように,誤嚥性肺炎に対しても,複数の診療科がそれぞれのバックグラウンドをもって関わっている.肺炎であるから呼吸器科,高齢者に多いので老年病科はむろんのこと,ICU(intensive care unit)などでの人工呼吸器関連肺炎(ventilator-associated pneumonia;VAP),胃食道逆流,ひいては経腸栄養の投与方法などに関しても関連フィールドが広がっている.
従来,呼吸器科では,誤嚥性肺炎に関しての説明は教科書のなかであまり頁を割かれていなかった.日本呼吸器学会の肺炎診療ガイドラインでは,肺炎は大きく市中肺炎と院内肺炎に分けられ,誤嚥性肺炎は院内肺炎の一部1)としての取り扱いにすぎない.しかし,嚥下性肺疾患研究会2)は,市中肺炎においても誤嚥性肺炎の頻度の高いことを報告2)し,一方で,東北大学を中心に,高齢者の誤嚥性肺炎に関連するサブスタンスPの意義3),ACE阻害剤などの効果4),口腔ケアの効果5)などが次々と報告され,誤嚥性肺炎の予防・治療における薬物療法,および高齢者に対する口腔ケアの意義の普及が進んでいる.
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