Japanese
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特集 高次脳機能障害治療の実践
プロセス指向の人間性認知行動リハビリテーション―社会精神行動学的観点から
Humanistic rehabilitation of cognition and behavior with the process-oriented paradigm: from the viewpoint of social psychopathology.
中村 俊規
1
Toshinori Nakamura
1
1NPO法人日本脳外傷後遺症リハビリテーション支援ユニオン(JUTRA)
1Japanese Union of TBI Rehabilitation and Advocacy
キーワード:
プロセス指向
,
神経心理循環
,
人間的尊厳の回復
,
オレンジクラブモデル
Keyword:
プロセス指向
,
神経心理循環
,
人間的尊厳の回復
,
オレンジクラブモデル
pp.23-28
発行日 2009年1月10日
Published Date 2009/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101420
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はじめに
今日,脳外傷(traumatic brain injury;TBI)による高次脳機能障害の治療については,社会的にも注目されている.しかし,高次脳機能障害に対して,①標準的なリハビリテーションとはなにか? また,どのような病像にどのようなケアが必要なのか,その心理的なケアとはいかなるものか?,②どのような施設で標準的なリハビリテーションが受けられるのか?,③随伴症状や心理社会的問題などへの介入が必要な場合,誰がどのように対応すべきか?,などの難問が存在する.さらに,高次脳機能障害はほとんどの精神科,心療内科などにおいては実践医療の対象ではなく,臨床心理士の研修教育体制もない.そのため,脳神経外科,リハビリテーション科などと有機的なコラボレーションを築きにくい.このように,今も多くの問題が未解決のまま残され,患者・家族が置き去りにされている.
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