私の発言
看護婦と人間性
山原 雅子
1
1四日市市立四日市高等看護学院
pp.269-271
発行日 1981年5月25日
Published Date 1981/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907541
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われわれ人間は,社会生活を営む上で多くの名称を持っている.医師としての○○さん,栄養士の○○さん,会社員の○○さん,そして父として母として,夫として妻としての○○さん,などというように,それぞれの固有名詞の上にその人の社会的な役割上の名称がつけられている.そういう呼び方をすることで,私たちはその人のイメージを作り上げ,その役割の内容を期待しているのである.
ややもすると個人としての存在は忘れがちになりそうなほど,自分の名の上に付けられるこれらの名称は重い,私たち看護婦も,この看護婦としての名称と,○○という固有名詞とを持っている.しかし,この2つの名称は別々のものにつけられているのではなく,同一の人物に対してつけられていることから,悩んだり苦しんだり,ジレンマに陥ることも多い.
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