特集 「人間性回復」への動き
シンポジウム
病院における「人間性回復」
上林 茂暢
1
,
前田 マスヨ
2
,
辻野 純徳
3
,
柏木 哲夫
4
,
中川 米造
5
1柳原病院内科
2東海大学病院
3浦辺建築事務所
4淀川キリスト教病院精神科
5大阪大学医学部環境医学
pp.26-35
発行日 1981年1月1日
Published Date 1981/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207346
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なぜ『人間性の回復』か
中川 非常に私的な話から申しますが,私は「医学概論」を担当しています.ときどき外国へ行ったり,外国の人たちと接触する機会があり,横文字の名刺が必要になります.そこで,14,5年前に勝手にMedical Humanitiesという英語を名刺に刷り,あちこちで渡していたのです.当時はいちいち説明しないと分かりませんでしたが,7,8年前から,英語圏の人ですとすぐ分かるようになりました.
というのは,アメリカでは,この言葉が制度化されています.医学部を含め保健科学関係の大学には必ずメディカル・ヒューマニティーズのセクションができました.社会科学は前からありますが,医療と人文科学の関係領域を扱います,デパートメント・メディカル・ヒューマニティーズに教授が12人もいるところもあります.
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