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ヒトグリオーマから神経特異(S−100)蛋白産生オリゴデンドログリア様細胞株(単一細胞由来)を樹立した。
昭和52年1月20日,13歳男子の右側頭後頭葉腫瘍の部分切除を行なった。腫瘍片を鋏で細切し,トリフシンで細胞をできるだけ単離させ,二重のガーゼで比較的大きな腫瘍片や血管などを取り除き,0.85%塩化アンモニゥムを37℃で約5分間作用させ,混入する赤血球を取り除いた,CO2培養器で20%ウシ胎児血清加M199培養液にて培養を開始した。培養ビンはTD15を使用し,培養液はその後DMEMを使用した。in vitroにおける細胞の形態は線維芽細胞状,上皮細胞状で,細胞がconfluentになっても継代を行なわず,初代培養開始から約6か月後に初めて,トリプシンにEDTAを加えたもので継代を行なった。培養開始8か月に1層の細胞層の上にお互いの突起で連絡を持つ細胞が増殖してきたので,それらの細胞のみを軽くビベッティングすることによって分離した。この時点で螢光抗体間接法で,この細胞がS−100蛋白を産生することを確認した。培義開始11か月後に,ガラス細片を用いsingle cell cloningを試み,そのうちの一つが65日目に直径約10mmの集落を作ったので,これをトリプシン処理をして,クローン細胞株を樹立した。
A human oligodendroglia-like cell line was established. This cell line is a single cell clonal line. Morphologically, this cell has some characteristics compatible to oligodendroglia. This cell also maintains to synthetize S-100 protein and to have a long acrocentric marker chromosome. Investigation of biochemical markers of this cell should be done.
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