連載 リハビリテーション医療のクリニカルパス【新連載】
人工股関節置換術
森田 定雄
1
1東京医科歯科大学リハビリテーション部
キーワード:
人工股関節置換術
,
クリニカルパス
,
セメントレス
,
両側一期的手術
Keyword:
人工股関節置換術
,
クリニカルパス
,
セメントレス
,
両側一期的手術
pp.94-96
発行日 2008年1月10日
Published Date 2008/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101166
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整形外科領域の慢性疾患に対する術後リハビリテーションは,術式ごとにほぼ同じ内容で施行することが可能で,クリニカルパスを作りやすい.当施設では,人工股関節置換術に対し,骨セメントを用いたCharnley THAが中心であった1970年代から,基準となるリハビリテーションプログラムを作成し,それに基づいて術後リハビリテーションを行っていた.プログラムは何度も改良され,1985年頃には5~6週でT字杖歩行による退院が可能となっていた.その後,セメントレス人工股関節の導入で術後一定期間を免荷としたため,入院期間が延びたが,セメントレスでも術後の免荷が不要であることを確認し1),現在はT字杖歩行の安定というゴールへ術後2,3週間で到達可能となっている2).
現在のプログラムは3週入院を基本としているが,術前にT字杖歩行の安定している人では2週間プログラムとしている.われわれの退院基準のT字杖歩行の安定が得られた患者では,退院直後の自宅でのADL(activities of daily living)は自立レベルであるが,さらに退院1週間以内に約半数の患者で術前の主婦としての仕事をこなせたという結果が得られている3).入院期間に関して,早期退院を歓迎する傾向が強くなってきており,2週間での退院で早すぎるとの不満を訴える患者はほとんどみられなくなった.
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