Sweet Spot 文学に見るリハビリテーション
スミスの『フロレンス・ナイチンゲールの生涯』(第2報)―病弱者が生み出した看護学
高橋 正雄
1
1筑波大学障害科学系
pp.98
発行日 2008年1月10日
Published Date 2008/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101167
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セシル・ウーダム・スミスの『フロレンス・ナイチンゲールの生涯』(武山満智子,小南吉彦訳,現代社)には,クリミア戦争から帰ったナイチンゲールが病を得て,後半生は看護者というよりむしろ病者として生きた様子が描かれている.
1856年のクリミア戦争の終結とともにイギリスに帰国したナイチンゲールは,世界中から寄せられる讃美の声をよそに公の場に姿をみせなくなった.それは,一つには世間的な注目や名声を厭うナイチンゲールの性向にもよるが,もう一つの要因として考えなければならないのは,ナイチンゲールの病である.
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