論述
幻肢痛とその背景
大塚 哲也
1
Tetsuya OHTUKA
1
1厚生年金玉造整形外科病院
pp.1011-1017
発行日 1971年12月25日
Published Date 1971/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904624
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
一般に四肢切断者(離断者を含む)は,その断端部にすでに失われた四肢が,まだ残存しているような幻覚にとらわれることが少なくなく,これが義肢装着や日常生活に与える影響も大である.四肢切断者の幻想肢(以下幻肢と略す)は,身体像とともに幻肢痛の形で現われる感覚の面をも具備しており,body imageの投影と見なされる1〜4).
幻肢の型と利用価値について,大塚1〜4)は第1図,第1表のように分類をこころみた.多肢欠損者ではbody imageとしての幻肢を,なんらかの形で積極的に利用する傾向がとくに強く,同時にまたfeed-back機構としても利用する傾向が窺われる3,4).
Copyright © 1971, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.