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編集後記
鹿
pp.1402
発行日 2007年11月10日
Published Date 2007/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101127
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赤福餅よ,比内鶏よ,お前もか.企業の拝金・利益最優先主義はここに極まり,伝統とか信頼など古きよきものを蹴散らし,吹き飛ばしながら,どこへ行こうとしている? 企業にモラルは求めないが,少なくとも法令順守だけはお願いしたい.競争から共生へ.その共生のありようを考えさせる「第30回総合リハビリテーション研究大会」が先月,東京で開催された.30年を節目に「総合リハ」の今までを振り返り,今後を展望するという内容で,「総合」,「連携」をめぐる議論が活発だった.リハではしばしば,障害当事者を中心に据え,多領域の障害の専門家がその周りを囲んで「当事者の自己決定権を専門性で支援する」という図式がでてくる.一面,これは正しい図式なのだろうが,他方,周りを囲む人たちも相互作用のなかで自己変革を求められ,そのこと自体同等に重要な意味をもつ.おりしも政府は「障害者の権利条約」に署名し,今後は批准に向けてさまざまな準備がなされていくが,その過程のなかで共生の中味が問われ,個人や社会の成熟度が問われる.
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