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編集後記
鹿
pp.390
発行日 2004年4月10日
Published Date 2004/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102735
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特集の本間論文では高齢者介護研究会報告書「2015年の高齢者介護」が紹介されていて,とりわけ痴呆高齢者を取り巻く課題が指摘されています.痴呆という病気自体の差はあまりないと思いますが,痴呆をもつ人を取り巻く社会・家族の状況は民族や国によって大きく違います.日本では村落共同体的風土が薄れたとはいえ欧米に比べて世代間同居は多く,家族による介護が多いと思います.それゆえ気に入らなくても身近な家人に世話にならなければ生きていけないというジレンマ,依存と孤立の葛藤が,徘徊やもの盗られ妄想などの周辺症状を生み,その攻撃の対象が一番身近な家族介護者に向かうというのが日本の特徴だとも指摘されています.2015年には68歳,まさに2015年問題の当事者である私にとってひとごとではありません.とりあえず疾患予防的な生活を心がけたいと思います.ちなみに,本年10月15日(金)~17日(日),国立京都国際会館で,「高齢化社会における痴呆ケア」をテーマに「国際アルツハイマー病協会第20回国際会議・京都・2004」が開催されます.
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