Japanese
English
紹介
高齢者デイサービスにおけるテレビ電話導入の試み
Introduction of the system of video-phone communication in day service for elderly adults.
望月 寛子
1,2,3
,
田中 真弓
4
,
鈴木 孝治
5
,
山川 百合子
6
,
新井 雅信
7
Hiroko Mochizuki
1,2,3
,
Mayumi Tanaka
4
,
Takaji Suzuki
5
,
Yuriko Yamakawa
6
,
Masanobu Arai
7
1(独)農業・食品産業技術総合研究機構花き研究所花き品質解析研究チーム
2(独)産業技術総合研究所脳神経情報研究部門認知行動科学研究グループ
3昭和大学医学部神経内科
4東京福祉専門学校
5茨城県立医療大学作業療法学科
6茨城県立医療大学医科学センター
7茨城県立医療大学付属病院
1National Institute of Floricultural Science, National Agriculture and Food Research Organization(NIFS-NARO)
2Neuroscience Research Institute, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology(AIST)
3Department of Neurology, Showa University School of Medicine
4Tokyo College of Welfare
5Department of Occupational Therapy, Ibaraki Prefectural University of Health Sciences
6Center for Medical Sciences, Ibaraki Prefectural University of Health Sciences
7Ibaraki Prefectural University of Health Sciences Hospital
キーワード:
テレビ電話
,
高齢者
,
ボランティア
Keyword:
テレビ電話
,
高齢者
,
ボランティア
pp.1373-1376
発行日 2007年11月10日
Published Date 2007/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101117
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はじめに
情報化社会の新しいコミュニケーション手段としてテレビ電話が登場してきた.テレビ電話は声だけでなく表情や身振り,文字などの視覚情報を伝えられるため,難聴を抱えた高齢者にとって有効なコミュニケーション手段となり得る.
医療・福祉の分野ではテレビ電話を使った在宅ケア支援(テレケア)が始められている1,2).吉山ら2)は,高齢者の在宅ケアにテレビ電話を導入した.その結果,相互コミュニケーションが活発になり,患者の不安や孤独感が軽減されたことを報告している.在宅ケアを受けている高齢者に限らず,健常高齢者でも不安や孤独感を抱く人は少なくない.少子高齢化が進むわが国において多くの高齢者に安心と連帯感を提供するために,テレビ電話のような新しいコミュニケーション手段は大いに活用されるべきである.しかし,医療・福祉におけるテレビ電話の導入は一部の地域に限られており1,2),通話対象も家族と知人,医療スタッフと患者という組み合わせが多い2,3).テレビ電話によって高齢者の人間関係を広げていく試みはほとんど行われていない.
そこで本研究は,テレビ電話によって高齢者と若者との交流の機会をつくることを目的とした.健常高齢者と初対面の若者との間でテレビ電話を介した集団レクリエーションを実施したので,その結果を報告する.テレビ電話は表情や身振り手振りなどの「映像」によって感情をいきいきと伝えられることが報告されている1).本研究においても異なる会場にいる参加者達のコミュニケーションを促進する可能性が高い.テレビ電話の利用は高齢者と異なる世代の人々との交流を容易にし,社会的人間関係を広げるきっかけとなるかもしれない.
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