Japanese
English
増大特集 リハビリテーション医学2007―最近10年の動向とエビデンス
リハビリテーション・アプローチ
切断―高齢者を中心に
Rehabilitation approach for geriatric lower limb amputees.
陳 隆明
1
Takaaki Chin
1
1兵庫県立総合リハビリテーションセンター
1Hyogo Rehabilitation Center
キーワード:
高齢切断者
,
末梢循環障害
,
断端マネージメント
,
予後予測
,
チームアプローチ
Keyword:
高齢切断者
,
末梢循環障害
,
断端マネージメント
,
予後予測
,
チームアプローチ
pp.1099-1104
発行日 2007年10月10日
Published Date 2007/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101072
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はじめに
近年,高齢下肢切断者を取り巻く環境は激しく変化している.今や下肢切断の主要な原因は末梢循環障害であることは,欧米諸国のみならず,日本などアジア諸国も例外ではない.当然のこととして,下肢切断のリハビリテーション対象者の大部分は,動脈硬化に由来する何らかの併存疾患を有する高齢者であり,リハビリテーションが難渋することは容易に予想される.
一方,最近では各診療科の集学的な治療の結果,従来であれば大腿切断の適応であった症例についても,膝関節を温存した下腿切断の成功率が高くなった.そのことに伴い,切断者のなかに占める高齢下腿切断者の割合が増加し,今後もこの傾向は続くものと思われる.このような動向を見据えて,高齢下腿切断者に対する新しい断端ケア法が提唱され始めている.さらに最近では,義肢学の分野は長足の発展を遂げ,各種高機能な義肢のパーツが開発・実用化されている.それらは高齢切断者の機能予後に多くの福音をもたらすと予想されるが,適応基準や適正評価法などがあいまいであり,さらに価格面でも解決すべき問題が残されている.
本稿ではこれらの事柄を踏まえて,高齢下肢切断者のリハビリテーションについての近年の動向をエビデンスに基づいて述べたい.
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