Japanese
English
研究と報告
歩行運動イメージの加齢変化と転倒経験の関連
Motor imagery for walking is associated with fall in elderly people.
山田 実
1,2
,
古川 裕之
1,2
,
東野 江里
1
,
上原 稔章
1
,
一安 章史
3
,
小野 玲
4
,
平田 総一郎
4
Minoru Yamada
1,2
,
Hiroyuki Furukawa
1,2
,
Eri Higashino
1
,
Toshiaki Uehara
1
,
Akifumi Ichiyasu
3
,
Rei Ono
4
,
Soichiro Hirata
4
1坂田整形外科リハビリテーション
2神戸大学大学院医学系研究科
3老人保健施設エスコート船場
4神戸大学医学部保健学科
1Sakata Orthopedic and Rehabilitation
2Kobe University Graduate School of Medicine
3Geriatric Health Services Facility, Escort Senba
4Faculty of Health Sciences, Kobe University School of Medicine
キーワード:
運動イメージ
,
加齢変化
,
転倒
Keyword:
運動イメージ
,
加齢変化
,
転倒
pp.705-710
発行日 2007年7月10日
Published Date 2007/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101000
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要旨:近年,運動イメージと呼ばれる脳内での運動シミュレーションの,リハビリテーション分野での応用が期待されている.われわれはmental chronometryと呼ばれる運動イメージの時間測定を行い,実際の運動時間との誤差を算出し(mental walking time/actual walking time;M/A比),加齢変化および転倒との関連性について検討した.対象は19歳から93歳までの197名とし,20歩の歩行運動を実際に動作遂行,および心的にイメージするという課題を用いた.歩行のM/A比は年齢と有意な相関関係にあり(r=0.451,p<0.001),加齢に伴って運動イメージ時間は延長する傾向を認めた.転倒経験のある高齢者では,さらに運動イメージは延長し「M/A比=1.64」というカットオフ値を求めることが可能であった.転倒経験高齢者では自身の身体能力を誤認識している可能性が示唆され,今後は転倒予防に向けた運動イメージ訓練の効果について検討を重ねる必要があると考えられた.
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