Japanese
English
研究と報告
二重課題バランス訓練による歩容変化―健常高齢者を対象とした介入研究
The effect of balance training under dual-task condition.
山田 実
1,2
,
古川 裕之
1,2
,
東野 江里
1
,
上原 稔章
1
,
坂田 敏郎
1
,
小野 玲
3
,
平田 総一郎
3
Minoru Yamada
1,2
,
Hiroyuki Furukawa
1,2
,
Eri Higashino
1
,
Toshiaki Uehara
1
,
Toshiro Sakata
1
,
Rei Ono
3
,
Soichiro Hirata
3
1坂田整形外科リハビリテーション
2神戸大学大学院医学系研究科
3神戸大学医学部保健学科
1Sakata Orthopedics and Rehabilitation
2Kobe University Graduate School of Medicine
3Faculty of Health Sciences, Kobe University School of Medicine
キーワード:
dual-task
,
バランス
,
転倒
,
健常高齢者
Keyword:
dual-task
,
バランス
,
転倒
,
健常高齢者
pp.1353-1358
発行日 2007年11月10日
Published Date 2007/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101113
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要旨:〔目的〕高齢者における転倒は社会問題となっており,有用な転倒予防トレーニングが求められている.近年,加齢によって二重課題(dual-task)下での歩行や立位保持などのパフォーマンスが低下することが注目されており,このことが転倒と関係している可能性も示唆されている.本研究では,dual-task下でのバランス訓練を考案し,その有用性を検討した.〔対象〕20名の高齢者(61.4±8.1歳)とした.〔方法〕バランス訓練装置上で認知課題を解くというdual-task下での訓練を2週間実施した.効果判定のための指標には,歩行時体幹動揺(体幹加速度;RMS)を用い,自由歩行RMSとdual-task歩行RMS,および自由歩行RMSからdual-task歩行RMSへの増加率を求めた.〔結果〕1週間の訓練後,2週間の訓練後とRMS増加率は有意に減少し,dual-task下での訓練によって,dual-task歩行は安定する傾向にあった.〔結語〕dual-task訓練は比較的短期間で効果を示すことが示唆され,今後は易転倒傾向にある高齢者を対象に介入研究を行い,転倒予防の新たなパラダイムを形成していきたい.
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