特集 リハビリテーション関連職種の現状と展望
心理士
平林 一
1
,
阿部 順子
2
,
中島 恵子
3
,
林 恵子
4
Hajime Hirabayashi
1
,
Junko Abe
2
,
Keiko Nakashima
3
,
Keiko Hayashi
4
1鹿教湯三才山リハビリテーションセンター鹿教湯病院心理療法科
2岐阜医療科学大学保健科学部看護学科
3九州ルーテル学院大学人文学部心理臨床学科
4神奈川リハビリテーション病院心理科
1Department of Clinical Psychology, Kakeyu, Misayama Rehabilitation Center Kakeyu Hospital
2Department of Nursing, Gifu University of Medical Science
3Department of Clinical Psychology, Kyushu Lutheran College
4Department of Psychology, Kanagawa Rehabilitation Hospital
キーワード:
リハビリテーション心理職会
,
高次脳機能障害
,
教育と養成
Keyword:
リハビリテーション心理職会
,
高次脳機能障害
,
教育と養成
pp.551-554
発行日 2007年6月10日
Published Date 2007/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100957
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リハビリテーション領域における臨床心理士の歴史と現状1,2)
リハビリテーション医の上田敏氏は,1983年に書かれた「リハビリテーションアプローチの歴史的流れ」3)のなかで,リハビリテーション医学の方法論の発展について,“第1期(1924~40年代):整形外科的アプローチ,第2期(1940年代~現在):神経学的アプローチ,第3期:高次脳機能学的アプローチ,第4期:心理学的アプローチの重要性が増してくる”と展望している.他にも,医師4-6)の立場からは,臨床心理士の必要性や重要性について述べられているが,一方,わが国の「臨床心理学」は,精神科領域や教育関係,発達障害領域を中心として発展してきており,リハビリテーション分野に対しては,“特殊な領域”という認識しかもたれていなかった節がある.
1988年に「臨床心理士の資格認定制度」が発足したとはいえ,臨床心理学を標榜している大学でも,リハビリテーション分野で働く臨床心理士にとって不可欠な医学的知識や神経心理学を学べるカリキュラムをもっている大学はごく限られている.この分野に働く臨床心理士の多くは,医師・看護師・理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)といった資格をもち診療報酬が得られる専門職種のなかにあって,アィデンティティを模索しながら孤軍奮闘しているという状況が続いていた.
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