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QOL総論
QOLとは,固有の文化と価値観に基づく生活状況に対する認識(individual's perceptions of their position in life in the context of the culture and value systems in which they live and in relation to their goals, expectations, standards and concerns)だと,WHOは定義している.QOLはリハビリテーションの領域でも重視されており,最近のArchives of Physical Medicine and Rehabilitationでも特集が組まれた.そこではQOLを科学的に検討する目的で2001年に研究会が招集され,包括的指標と疾患固有の指標,施策決定指標としてのQOL,患者の視点からみたQOL,文化的側面,QOL研究の将来が議論されたことが示されている.
脳卒中のQOLを示す指標
脳卒中QOLの研究を展望したBuckら1)は,総括的QOL指標としてSIP,NHP,SF-36,Euro-QOL,HUI,LHSを,また脳卒中固有のQOL指標としてFAI,NiemiQOL scale,Ferrans Powers QOL(FP-QOL),その他を紹介し,脳卒中固有のQOL指標ではFAI,Niemi QOL,FP-QOL,脳卒中対応SIPが妥当性と信頼性を検定しているが,患者を中心に発展させたものがないと述べている.Williamsら2)は,脳卒中固有のQOL評価法を32名の患者をモデルにして,12領域(体力,家族関係,言語,移動,気分,性格,セルフケア,社会的役割,思考,上肢機能,視覚,就労)78項目からなる指標を作成した.この評価表を元にHilariら3)はレイアウトを検討し,質問を理解しやすく改変し,回答肢の表現を変更して軽度~中等度失語症患者のQOLを評価できるStroke and Aphasia QOL Scale-39(SAQOL-39)を作成している.
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