Japanese
English
研究と報告
心内血栓が残存した急性期心原性脳塞栓症患者の早期離床
Early mobilization in acute cardioembolic stroke patients with remaining intracardiac thrombus.
山田 浩二
1
,
河波 恭弘
1
,
稲富 雄一郎
2
,
米原 敏郎
2
,
藤岡 正導
2
Koji Yamada
1
,
Yasuhiro Kawanami
1
,
Yuichiro Inatomi
2
,
Toshiro Yonehara
2
,
Shodo Fujioka
2
1済生会熊本病院リハビリテーションセンター
2済生会熊本病院脳卒中センター
1Rehabilitation Center, Saiseikai Kumamoto Hospital
2Stroke Center, Saiseikai Kumamoto Hospital
キーワード:
心原性脳塞栓症
,
心内血栓
,
早期離床
Keyword:
心原性脳塞栓症
,
心内血栓
,
早期離床
pp.275-280
発行日 2003年3月10日
Published Date 2003/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100818
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はじめに
心原性脳塞栓症(cardioembolic brain infarction;CEBI)は,心内で形成されたり,静脈系で形成され,卵円孔開存などを経由して動脈系に移行した栓子が,脳血管を閉塞することで発症する.経食道心エコーを用いた調査では,CEBI発症後約30%に残存心内血栓が検出されることが報告1,2)されているが,残存血栓が遊離すれば脳血管を新たに閉塞させることは容易に想像される.このような理由から,脳梗塞発症後の早期離床の有効性は諸家3-5)により報告されているものの,脳梗塞再発防止のためには心内血栓残存患者の早期離床は慎重であるべきという意見6,7)も多い.しかしながら,早期離床がCEBI患者の残存心内血栓の遊離にどの程度悪影響を及ぼすかについて研究された報告は,われわれが調べ得た限りでは見られなかった.
今回われわれは,心内血栓の残存した急性期CEBI患者に対する早期離床の安全性について検討したので報告する.
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