今月の主題 ブレインアタック Brain attack
脳卒中急性期の治療戦略
心原性脳塞栓に対する血栓溶解療法
中川原 譲二
1
,
粕谷 潤二
1
1中村記念病院脳神経外科脳卒中診療部
pp.1114-1116
発行日 2000年7月10日
Published Date 2000/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402907539
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●心原性脳塞栓症の発症直後の脳虚血域では,組織の不可逆的変化が直ちに生じる領域(ischemic core)と,組織の可逆性が一定時間維持される領域(ischemic penumbra)とが混在する.Ischemic penumbraにおける組織の可逆性は,残存する脳血流量と発症からの時間の2つの要因に依存しており,ischemic penumbra の存在は,血流再開を目的とする血栓溶解療法に開かれた窓(therapeutic window)として,臨床的に意義のある病態といえる.
●血栓溶解療法には,血栓溶解剤の静注法と選択的動注法とがあるが,治療の適応となる症例を見落とさないためには地域住民の教育,脳卒中診療センターの整備,脳卒中救急搬送システムの確立が急務である.
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