特集 NP教育の成果を探る─自律したHealth Care Providerをめざして
〈NPのアウトカムとエビデンス〉
①一般病院のケース
チーム医療「急性期早期離床チーム」における診療看護師(NP)の役割
平田 尚子
1
,
菊野 隆明
2
1独立行政法人国立病院機構東京医療センター
2独立行政法人国立病院機構東京医療センター救命救急センター
キーワード:
急性期
,
チーム医療
,
早期離床
Keyword:
急性期
,
チーム医療
,
早期離床
pp.436-439
発行日 2015年8月15日
Published Date 2015/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201154
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はじめに
近年,医療の質や安全性の向上および高度化・複雑化に伴う業務の増大に対応するため,多職種が個々の高い専門性をもち,情報共有することが推奨されている。そのため,互いに連携し,患者の状況に応じた医療を提供するチームがさまざまな場面(急性期,救急医療,回復期,慢性期,在宅医療など)で活動を展開している。
筆者は,クリティカル領域で大学院修士課程を修了し,わが国における診療看護師(Nurse Practitioner;以下NP)として3年目となり,チーム医療において果たす役割を考え,以下の内容について取り組みを開始した。
急性期の早期離床は,患者のICU(Intensive Care Unit)滞在日数短縮,在院日数短縮,日常生活機能回復率の上昇,せん妄期間短縮などに効果が期待できる(Morris, 2008)といわれている。しかし,急性期の離床開始は循環動態の変動や患者に装着されているモニター・多数の点滴類などにより各種デバイスなどにより,医学的知識や技術,マンパワーが必要である。それらの問題を解決し,各患者にあった離床を早期から導入すべく,多職種による「急性期早期離床チーム」を結成した。
本稿では,チーム医療におけるNPの活動状況を,今後の方向性を踏まえ報告する。
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