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内容のポイント Q&A
Q1 ICU患者の安静度設定は?
ICUでは全身状態の安定化と原因疾患の解明が同時に行われ,モニタリングから患者への介入内容と程度を即時に判断しなければならず,安静の要否も常に変化し得る.安静解除のためには段階的に負荷量を増やしていくのが安全であり,その順序や内容は疾患が変わってもほぼ同一である.そのためプロトコルに則って行うのがベストといえる.しかし重症度には個人差があるため,あらかじめチームカンファレンスでその進行を計画する必要がある.Q2 ICU患者の早期離床に必要なモニタリングは?
状態不安定な重症患者に対し,プロトコル化したリハビリテーション治療を進めるためには,身体状況を詳細にモニタリングする必要がある.バイタルサインに加え,鎮静レベル,せん妄の有無,痛みの程度,身体に装着されたデバイスの把握・評価も重要である.また胸部X線,動脈血液ガス,人工呼吸器モニタのチェックも必須なので習熟しておきたい.
Q3 ICU患者の早期離床時に予想される有害事象は?
プロトコル化した早期離床・リハビリテーションで報告されている有害事象は,低血圧,酸素飽和度低下,動脈ラインの逸脱,経鼻胃管の逸脱等であり,特別な治療を要する重篤な有害事象はほとんどないといえる.しかし鎮静の最小化を組み合わせた早期離床強化プログラムでは医学的介入を必要とした重篤な有害事象が増えるという報告もあり,モニタリングの徹底が必要である.
Q4 ICU患者の早期離床に必要なチーム体制は?
医師,看護師,理学療法士・作業療法士・言語聴覚士からなる早期離床・リハビリテーションチームが,プロトコルをもとにリハビリテーション計画を立てることが望ましい.しかし特定の職種の不在を理由に早期離床の好機を逸することは避けねばならない.ある程度の人材不足を補うのもプロトコル利点の1つである.マンパワーに応じた効率よいチーム運営が求められている.
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