Japanese
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講座 障害者の移動(6)
身体障害者の自動車の運転および公共交通機関の利用
Driving and Public Transportation for the Disabled.
木村 彰男
1
Akio Kimura
1
1慶応義塾大学月が瀬リハビリテーションセンター
1Keio University Tsukigase Rehabilitation Center
キーワード:
身体障害者
,
自動車
,
公共交通機関
Keyword:
身体障害者
,
自動車
,
公共交通機関
pp.489-494
発行日 1988年6月10日
Published Date 1988/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105844
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はじめに
リハビリテーションの概念がQOLへと拡大していくにつれ,障害者が積極的に社会と係りを持とうとする傾向が近年高まってきている.それにともない,障害者の各種交通機関を利用した移動の問題が,従来にも増して大切なものとなってきた.
一方,社会福祉・リハビリテーションに関する一般社会の関心の増加,関係各機関の努力により,また国際障害者年などの運動を通じて,最近では障害者の交通機関による移動についても一昔前に比較してかなりの配慮が払われるようになってきている.一例を上げれば,新幹線には車椅子用のスペースが設けられ,駅ではエレベーターなどの利用により,障害者の遠隔地への旅行も簡単に可能となっている.しかしながら,公共的な交通移動手段についての系統的な対策は殆ど無く,個々の努力に頼っているのが現状である.
ところで近年の車社会の発展は,障害者にも種々の面で恩恵をもたらし,交通手段としての自動車をより手軽なものとして利用できるようにした,公共的な交通移動手段にまだ多くの問題が残る現在の段階では,障害者の移動における自動車の占める役割1)は想像以上に大きなものと言える.
今回は,障害者の自動車の利用について,免許証の取得,自動車の改良などの面から概説し,公共的な交通移動手段についても東京都が最近発表した整備指針を紹介しながらその問題点について言及したい.
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