増大号特集 精神科診療における臨床評価尺度・検査を極める—エキスパートによる実践的活用法
Ⅱ章 疾患別の評価尺度・検査
心的外傷及びストレス因関連障害群
心的外傷及びストレス因関連症群の評価尺度—IES-R,PCL,PDS,CAPS
佐藤 秀樹
1,2
,
前田 正治
1,2
1福島県立医科大学医学部災害こころの医学講座
2福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センター
キーワード:
心的外傷後ストレス症
,
posttraumatic stress disorder
,
PTSD
,
改訂出来事インパクト尺度
,
Impact of Event Scale-Revised
,
IES-R
,
PTSDチェックリスト
,
Posttraumatic Stress Disorder Checklist
,
PCL
,
外傷後ストレス診断尺度
,
Posttraumatic Diagnostic Scale
,
PDS
,
PTSD臨床診断面接尺度
,
Clinician-Administered PTSD Scale
,
CAPS
Keyword:
心的外傷後ストレス症
,
posttraumatic stress disorder
,
PTSD
,
改訂出来事インパクト尺度
,
Impact of Event Scale-Revised
,
IES-R
,
PTSDチェックリスト
,
Posttraumatic Stress Disorder Checklist
,
PCL
,
外傷後ストレス診断尺度
,
Posttraumatic Diagnostic Scale
,
PDS
,
PTSD臨床診断面接尺度
,
Clinician-Administered PTSD Scale
,
CAPS
pp.565-569
発行日 2024年5月15日
Published Date 2024/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207268
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はじめに
DSM-5-TR1)において,心的外傷及びストレス因関連症群とは,心的外傷となるような,またはストレスの強い出来事への曝露が1つの診断基準項目として明記されている障害を含むと定義されている。具体的には,反応性アタッチメント症,脱抑制型対人交流症,心的外傷後ストレス症(posttraumatic stress disorder:PTSD),急性ストレス症,適応反応症,および遷延性悲嘆症がこれに該当する。なかでもPTSDは,1つまたはそれ以上の外傷的出来事に曝露された後にさまざまな症状が発現する精神疾患である。
PTSDのスクリーニングおよび診断や症状・重症度を評価するための代表的な指標として,自記式尺度にはImpact of Event Scale-Revised(IES-R),Posttraumatic Stress Disorder Checklist(PCL),Posttraumatic Diagnostic Scale(PDS)などがある。また,構造化診断面接法にはClinician-Administered PTSD Scale(CAPS)などがある。そこで本稿では,心的外傷およびストレス因関連症群のなかでもPTSDに焦点を当て,その代表的な評価指標について概要や評価方法などを解説する。
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