Japanese
English
特集 精神疾患の脳画像解析と臨床応用の将来
側頭葉てんかんの脳画像解析とその臨床応用
Neuroradiological Assessment and Clinical Application for Temporal Lobe Epilepsy
大坪 俊昭
1
,
松田 一己
1
,
八木 和一
1
,
三原 忠紘
1
,
鳥取 孝安
1
,
馬場 好一
1
,
西林 宏起
1
,
井上 有史
1
,
渡辺 裕貴
1
Toshiaki OHTSUBO
1
,
Kazumi MATSUDA
1
,
Kazuichi YAGI
1
,
Tadahiro MIHARA
1
,
Takayasu TOTTORI
1
,
Koichi BABA
1
,
Hiroki NISHIBAYASHI
1
,
Yushi INOUE
1
,
Yutaka WATANABE
1
1国立療養所静岡神経医療センター(てんかんセンター)
1National Epilepsy Center, Shizuoka Medical Institute of Neurological Disorders
キーワード:
Temporal lobe epilepsy
,
MRI
,
SPECT
,
MEG
,
NIRS
Keyword:
Temporal lobe epilepsy
,
MRI
,
SPECT
,
MEG
,
NIRS
pp.1219-1229
発行日 2002年11月15日
Published Date 2002/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902740
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はじめに
側頭葉てんかんは症候性局在関連性てんかんの中核をなす一方で,薬剤への難治例には切除術によって複雑部分発作が消失する可能性が約80%であり,他のてんかん症候群に比し外科的治療効果が高いという評価が確立されている。これは,脳波を主体とする電気生理学的検査法に加え,形態および機能的な画像診断法が発展してきたこと,かつ最近では両検査法を統合した高解像度で,統計学的処理による客観性の高い表出法が開発されつつある10)という時代的背景にも基づいている。これら新たな診断法は,単にてんかん焦点の同定にとどまらず,術後の機能脱落を回避する目的としてfunctional mappingや言語・記憶優位側の判定にも臨床応用されている。本稿では筆者らがこれまでに経験した側頭葉てんかん手術例380例(病理診断は,内側側頭葉硬化243例,皮質形成異常16例,dysembryoplastic neuroepithelial tumorを主体とする神経上皮性腫瘍76例,脳血管腫13例,その他14例,明らかな異常を認めない18例)をもとに,代表症例の神経画像学的特徴とそれに対応する組織像を呈示するとともに,現在開発中の画像診断機器の中からNear Infrared Spectroscopy(以下NIRS)による言語優位半球の判定法について紹介する。
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