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症例報告
急性心筋梗塞を発症したBecker型筋ジストロフィー患者における体重免荷トレッドミルの有効性
Efficacy of the body weight supported treadmill in patients with Becker's muscular dystrophy who have suffered an acute myocardial infarction
山守 健太
1
,
島添 裕史
1
,
藤島 慎一郎
2
Kenta YAMAMORI
1
,
Hirofumi SHIMAZOE
1
,
Shinichiro FUJISHIMA
2
1製鉄記念八幡病院リハビリテーション部
2製鉄記念八幡病院高血圧・循環器内科
キーワード:
ベッカー型筋ジストロフィー
,
体重免荷トレッドミル
,
リハビリテーション
Keyword:
ベッカー型筋ジストロフィー
,
体重免荷トレッドミル
,
リハビリテーション
pp.250-254
発行日 2022年2月15日
Published Date 2022/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202592
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要旨 【はじめに】急性心筋梗塞(acute myocardial infarction:AMI)を発症したBecker型筋ジストロフィー(Becker's muscular dystrophy:BMD)患者1名に対し,体重免荷トレッドミル(body weight supported treadmill:BWST)を用いた理学療法を実施し,運動機能改善があるかを検討した.【症例および経過】症例は62歳男性,ST上昇型AMIで入院した.既往にBMDがあった.2病日目に理学療法を開始したが,通常の運動療法が困難であり,7病日目にBWSTでの有酸素運動を施行した.16病日目に退院後,外来で継続し253病日目に理学療法を終了した.理学療法実施中に胸部症状や脱力感の増悪,クレアチニンキナーゼ値の上昇は認めなかった.6分間歩行距離は15病日目220mから退院時290m,10m歩行テストは19.23秒から11.25秒,大腿四頭筋筋力は0.1Nm/kgから0.3Nm/kgに向上し,運動機能の改善を認めた.【結語】BMDにより通常の運動療法が実施困難であったAMI患者1名に対し,BWSTを用いることで歩行能力,運動耐容能など運動機能の改善を認め,有害事象なく安全に理学療法が実施可能であった.
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