特集 歩行支援機器による歩行up to date
体重免荷式歩行器(POPO)による歩行
谷口 佳奈子
1
,
横山 洋介
1
Kanako Taniguchi
1
1鳥取生協病院リハビリテーション室
キーワード:
POPO
,
感覚入力
,
身体図式
Keyword:
POPO
,
感覚入力
,
身体図式
pp.905-912
発行日 2015年10月15日
Published Date 2015/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551200347
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はじめに
脳卒中歩行障害に対する理学療法は,神経発達学的アプローチに代表されるような経験を体系化したものが主流であった時期を経て,現在はニューロリハビリテーションの考えにもとづいたものへと変遷してきている1).体重免荷式(Body Weight Support:BWS)歩行支援装置を用いた練習は,その考えにもとづいたアプローチの一手法であり,日本でも多くの施設で実施されるようになった.その特徴として,免荷により体重負荷量を軽減できること,歩行困難な状態であっても早期から歩行練習が行えること,反復して両側性のパターン運動が可能であることから,効率的な運動学習へとつながる可能性があり,注目されている.
一方で,BWS装置を用いた練習は,部分免荷トレッドミル練習(BWSTT)が一般的であり,歩行器と一体化した機器による練習効果の報告は少ないのが現状である.本稿では,BWS歩行器POPO(POPO REH-100株式会社モリトー)のコンセプトと構造について紹介する.また,POPOによる歩行によってpushing現象を伴った脳卒中片麻痺患者に生じた身体変化についても,客観的データを交えて紹介する.
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