Japanese
English
実践講座 痴呆をめぐる最近の動向 1
痴呆の心理・社会的危険因子
Psyco-social risk factors and rehabilitation of dementia.
竹田 徳則
1
Tokunori Takeda
1
1茨城県立医療大学作業療法学科
1Department of Occupational Therapy, Ibaraki Prefectural University of Health Sciences
キーワード:
痴呆
,
心理・社会的危険因子
Keyword:
痴呆
,
心理・社会的危険因子
pp.659-663
発行日 2004年7月10日
Published Date 2004/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100614
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はじめに
高齢社会を迎えたわが国では,痴呆性高齢者が2002年の約150万人から,2025年には約320万人に倍化すると予測されている1).また,要介護高齢者のほぼ半数,施設入所者においてはその8割に何らかの痴呆症状があると言われている.今後の課題として,痴呆発症の予防と早期発見,リハビリテーション,痴呆ケアの質の向上を図る取り組みが求められている.
厚生労働省では,高齢者が要介護状態に陥ったり,要介護状態がさらに悪化したりすることがないように,寝たきりや痴呆と閉じこもりの防止を目的に「介護予防・生活支援事業」を2000年度から展開している.しかし,特に痴呆予防については,科学的実践の根拠は不十分である.
そこで本稿では,まずリハビリテーション技術の痴呆予防における活用の可能性を考えることを目的に,最近注目されている社会参加や社会的ネットワークと余暇活動などの心理・社会的側面を取り上げた報告をレビューする.そして,痴呆の進行遅延を図る取り組みからリハビリテーションの可能性と課題を述べる.
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