Japanese
English
研究と報告
障害高齢者における環境要因が立位姿勢制御に及ぼす影響
Influence of environment factor on the standing posture control in the elderly with disabilities.
高井 逸史
1
Itsushi Takai
1
1寺田萬寿病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation, Teradamanju Hospital
キーワード:
障害高齢者
,
環境要因
,
立位姿勢制御
,
転倒予防
Keyword:
障害高齢者
,
環境要因
,
立位姿勢制御
,
転倒予防
pp.1179-1183
発行日 2006年12月10日
Published Date 2006/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100433
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はじめに
情動の一つである不安は,必要以上に抱くと血圧の上昇,筋緊張の亢進などさまざまな生理的反応を誘発する.近年,不安による運動学習やタスクパフォーマンスへの影響が検討されている1,2).Darke3)は,不安を認知的妨害(cognitive interference)という概念で捉え,不安が認知活動に必要な中央実行系に関与することを指摘している.また,姿勢制御との関係については,不安が亢進すると姿勢動揺が増加すると報告されている4,5).
立位姿勢制御は,自動的な姿勢反射メカニズムによるものだけでなく,より高次な認知機能の働きが関与してことが報告されている6-8).また,加齢により認知機能が低下し,高齢者では姿勢制御に要求される注意能力が低下する9,10).そこで,杖や手すりの使用を図っていくが,手の届く範囲に手すりがあると不安が軽減し,動作能力が向上することを臨床で経験する.本研究の目的は,障害高齢者を歩行能力別に分類し,手すりの有無などの環境因子の違いが不安を誘発し,姿勢制御に影響を及ぼすかを明らかにすることである.
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