Japanese
English
実践講座 心理評価 5
精神心理的問題
Psycho-emotional problem.
笠原 隆
1
,
豊倉 穣
2
Takashi Kasahara
1
,
Minoru Toyokura
2
1東海大学医学部リハビリテーション学教室
2東海大学大磯病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Tokai University School of Medicine
2Department of Rehabilitation Medicine, Tokai University Oiso Hospital
キーワード:
うつ状態
,
脳卒中
,
評価
Keyword:
うつ状態
,
脳卒中
,
評価
pp.459-466
発行日 2006年5月10日
Published Date 2006/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100303
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
リハビリテーション医療に携わるうえで,精神心理的問題を避けて通ることはできない.器質的な障害に起因する精神症状や障害受容,将来に対する社会的不安など,急性期から慢性期に至るどの段階でも何らかの精神心理的な問題が起こりうる.
また患者のモチベーションが治療成否の鍵を握るリハビリテーション医療においては,精神心理的状態を的確に分析し,早急に正しく対処することが必要不可欠である.効果的に治療を進めるために精神的安定がいかに大切かということは,医療スタッフだけではなく患者の家族や患者本人も実感している.
数多くある精神心理的問題のなかでも,本稿では,近年社会問題化が著しく,脳卒中後に多く発症するうつ状態を中心に概説する.現在わが国の精神科領域においても「うつ状態」と「うつ病」との関係は判然としていない1).ここでは,興味・喜びの喪失,意欲の低下,不眠,食欲の低下などのさまざまな状態像を示す幅広い用語としての「うつ状態」を用いることにする.
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.