Japanese
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実践講座 病棟で行うリハビリテーション 5
言語聴覚士の役割―摂食・嚥下と高次脳機能への関与
A role of speech-language hearing therapists.: intervention for swallowing disorders and higher brain dysfanction.
後藤 圭乃
1
,
種村 純
2
,
熊倉 勇美
2
,
椿原 彰夫
1
Yoshino Goto
1
,
Jun Tanemura
2
,
Isami Kumakura
2
,
Akio Tsubahara
1
1川崎医科大学付属病院リハビリテーションセンター
2川崎医療福祉大学感覚矯正学科
1Department of Rehabilitation, Kawasaki Medical School Hospital
2Kawasaki University of Medical Welfare
キーワード:
急性期
,
摂食・嚥下
,
高次脳機能
Keyword:
急性期
,
摂食・嚥下
,
高次脳機能
pp.451-458
発行日 2006年5月10日
Published Date 2006/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100302
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はじめに
言語聴覚士の役割は疾病の急性期から重要で,① 患者の全身状態を把握したうえでコミュニケーションや摂食・嚥下障害などの当面の問題に対し,可能な範囲で援助を行う,② 他の医療スタッフに現状と当面の対応策についての情報を迅速に提供する,③ 患者や家族等に心理的サポートを行う1),などがあげられる.とくに患者が受ける不安や葛藤に対して必ず心理的フォローを行い,主としてカウンセリング・支持・方向づけが重要であると考えられている2).
急性期にベッドサイドから開始される言語聴覚療法で,チェックすべきコミュニケーション機能や摂食・嚥下機能は,① 全般的な活動水準や精神機能,見当識,② 発声発語の状態と機能,③ 摂食・嚥下機能,④ 言語機能,⑤ その他の高次脳機能,⑥ 聴力・視力など1),患者の症状を見ながら実施する項目を取捨選択し,患者に過度な負担をかけないよう留意しながら行う.
本稿では,急性期から関わる言語聴覚士の役割について,その要点を概説する.
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