Japanese
English
特集 ハイリスク状態のリハビリテーションアプローチ
臓器移植
Comprehensive rehabilitation before and after transplantation.
森 信芳
1
,
上月 正博
1
Nobuyoshi Mori
1
,
Masahiro Kohzuki
1
1東北大学大学院医学系研究科機能医科学講座内部障害学分野
1Department of Internal Medicine and Rehabilitation Science, Tohoku University Graduate School of Medicine
キーワード:
包括的リハビリテーション
,
deconditioning
,
リスク管理
Keyword:
包括的リハビリテーション
,
deconditioning
,
リスク管理
pp.429-434
発行日 2006年5月10日
Published Date 2006/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100298
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はじめに
1997年6月の国会での臓器移植法の成立に伴い,1999年2月に国内初の脳死患者からの心・腎・肝・角膜移植が行われた.その後脳死ドナーからの臓器移植は症例を重ねてきているが,移植を希望して登録する患者数も多い.日本臓器移植ネットワークにおける臓器移植登録者数を表1に示す.末期の臓器不全患者では,登録しても移植が間に合わず死亡する症例もあるが,臓器移植は生命予後を改善し,QOL(quality of life)を向上しうる治療法の一つである.移植後に患者を新しい生活へ順応させるために,リハビリテーションの貢献すべき部分は大きいと考えられる.
臓器移植患者のリハビリテーションは,運動療法,患者教育,薬物療法,栄養管理,社交活動,精神的サポート,緊急連絡の確認などのさまざまな要素から成り立っており,さらに障害された臓器によってそれぞれに特有な要素がある.また,移植の前後で状態は大きく変化するという特徴をもつ.以下,臓器移植のリハビリテーションを概説する.
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