Japanese
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治療経験
筋力トレーニングの導入が困難であった虚弱高齢患者に対する応用行動分析学的介入
Intervention using applied behavior analysis in a frail old patient for whom introduction of strength training was difficult.
山本 哲生
1
,
山﨑 裕司
2
Tetsuo Yamamoto
1
,
Hiroshi Yamasaki
2
1細木ユニティ病院
2高知リハビリテーション学院理学療法学科
1Hosogi Unity Hospital
2Department of Physical Therapy, Kochi Rehabilitation Institute
キーワード:
動機づけ
,
筋力トレーニング
,
行動分析学
,
虚弱高齢者
Keyword:
動機づけ
,
筋力トレーニング
,
行動分析学
,
虚弱高齢者
pp.277-281
発行日 2005年3月10日
Published Date 2005/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100066
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はじめに
廃用症候群の予防改善を図るうえで,運動療法の有効性は疑う余地がない.しかし,筋力増強,関節可動域改善,持久力改善を目的とした運動療法は,いずれも疲労感や筋肉痛,関節痛,息切れ感を増悪させるという理由で,虚弱な高齢患者においてはこれらの症状を避けるために,運動療法に対して非積極的な患者が少なくない.Wedzichaら1)は,重症の閉塞性呼吸器疾患患者を対象とした場合,運動療法は患者側の精神的,身体的な苦痛のため十分な強度が負荷できず,その効果も得られにくいことを示した.また,山﨑ら2-5)は,理学療法場面で指示従事行動(以下,コンプライアンス)が得られない事例を報告している.理学療法サービスの向上を図るうえでは,その治療の有効性を追求するのに加え,動機づけに配慮することが必要不可欠ということであろう.
行動分析学を用いた介入は,本邦におけるリハビリテーション現場においても行動問題の解決方法として,その実績が報告されつつある2,4,5,7-9).本研究では,筋力トレーニングを含んだ理学療法に拒否的であった虚弱高齢患者に対して,理学療法への参加行動の定着を目的とした行動分析学的介入を行い,その効果についてシングルケースデザインを用いて検討した.
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