一頁講座 障害児の日常生活用具
排泄する
松藤 宗一郎
1
,
小池 純子
2
1横浜市総合リハビリテーションセンター通園療育課
2横浜市総合リハビリテーションセンター福祉医療部
キーワード:
脳性麻痺
,
排泄姿勢
,
補助便座
,
手すり
Keyword:
脳性麻痺
,
排泄姿勢
,
補助便座
,
手すり
pp.284
発行日 2005年3月10日
Published Date 2005/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100067
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一般の育児では,おおむね1歳半頃よりトイレトレーニングを開始する.発達障害児の多くも,幼児期に入る頃に“排泄自立”や“便器での排泄経験の拡大”などの目標に向け,便器やオマルを使った排泄指導に取り組む.本稿では,発達障害児のもつ排泄のさまざまな問題のなかから,脳性麻痺児の排泄姿勢に視点を絞って福祉用具を紹介する.
幼児期,身体機能障害が軽微な場合には普及品の幼児用補助便座やオマルが有効である.その一方で,姿勢保持機能に障害がある場合は安定した排泄姿勢をとることが難しい.適切な排泄姿勢は,ロダン彫刻の“考える人”像のような前屈姿勢が望ましいとされている.この姿勢では身体の重心が前方に移り腹圧を加えやすく,排泄に適しているとともに,排便時,直腸―肛門角が鈍角になり便塊を排出しやすくなると言われている1).この時期に用いる福祉用具は,姿勢保持の機能をもったトイレチェアや,普及品のオマルに手すりやテーブル,そして背もたれなど,子どもの状態に合わせて工夫を施したものである.
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