Japanese
English
特集 呼吸リハビリテーション
持久力・筋力トレーニングプログラム
Endurance training and muscle exercise for pulmonary rehabilitation programme.
川俣 幹雄
1,3
,
千住 秀明
2
,
津田 徹
3
Mikio Kawamata
1,3
,
Hideaki Senjyu
2
,
Tohru Tsuda
3
1星城大学リハビリテーション学部
2長崎大学大学院医歯薬学総合研究科保健学専攻
3医療法人恵友会霧ヶ丘つだ病院
1Department of Rehabilitation, Seijoh University
2Course of Health Sciences, Nagasaki University Graduate School of Biomedical Sciences
3Kirigaoka Tsuda Hospital
キーワード:
外来呼吸リハビリテーション
,
全身持久力トレーニング
,
筋力トレーニング
Keyword:
外来呼吸リハビリテーション
,
全身持久力トレーニング
,
筋力トレーニング
pp.127-133
発行日 2007年2月10日
Published Date 2007/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100464
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外来呼吸リハビリテーションの現状
呼吸リハビリテーションは,慢性呼吸不全患者の呼吸困難の改善や運動能力,健康関連QOL(quality of life)の向上に有用な医療ツールの一つである.米国国立心肺血液研究所と世界保健機関の「慢性閉塞性肺疾患の診断,管理,予防のグローバルストラテジー(GOLD)」1)(2001)でも,呼吸リハビリテーションは中等症以上の慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease;COPD)の標準的治療法として推奨され,呼吸器疾患のストラテジーにおける確固たる位置を占めている.呼吸リハビリテーションの有効性は,無作為化比較対照試験を含む数多くの研究論文によって支持され,そのエビデンスはきわめて高い(表1).
わが国でも,呼吸リハビリテーションは,近年,急速に普及しつつあるが,欧米に比べるとその実施率はまだ低い.呼吸リハビリテーションの実施形態には,入院,外来,通所,訪問などがあるが,わが国ではこれまで入院型が中心であり,それ以外の実施率は低かった.外来呼吸リハビリテーションの実施率は,報告によってさまざまであるが,9~28%であり,入院型よりも15~50%低い.その理由として,(1)地域医療連携システムにおける呼吸リハビリテーションの社会的認知度が不十分なこと,(2)外来呼吸リハビリテーション・スタッフの確保が十分ではないこと,(3)診療報酬が不十分であること,(4)通院が困難な患者が多いこと,などがあげられる.今後はこれらの問題点の解決を図りつつ,外来呼吸リハビリテーションの普及に努めることが必要である.
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