Japanese
English
特集 高齢者の運動療法
高齢障害者の評価
Evaluation of disabled elderly.
吉尾 雅春
1
,
石橋 晃仁
2
,
西村 由香
2
,
小林 英司
3
Masaharu Yoshio
1
,
Akihito Ishibashi
2
,
Yuka Nishimura
2
,
Eiji Kobayashi
3
1札幌医科大学保健医療部
2愛全病院リハビリテーション部
3札幌山の上病院リハビリテーション科
1School of Health Sciences, Sapporo Medical University
2Department of Rehabilitation, Aizen Hospital
3Rehabilitation Division, Sapporo Yamanoue Hospital
キーワード:
高齢障害者
,
評価
,
活動
Keyword:
高齢障害者
,
評価
,
活動
pp.19-26
発行日 2006年1月10日
Published Date 2006/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100022
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はじめに
高齢障害者は身体的に健康な人々よりも活動性が低下し,さらに加齢に伴い身体機能低下が加速し,知的・精神機能にも影響を及ぼしてくる.とくに脳卒中やパーキンソン病,多系統萎縮症などの変性疾患による脳機能障害では,その傾向が強くみられる.痛みを伴う骨関節疾患も加齢とともにバランス機能の低下が一層進み,活動制限に直結することになる.また,多くの高齢障害者で一次的あるいは二次的な呼吸・循環障害がみられる.以上のような状況は,さらに何らかの疾病や転倒による骨折などを招き,モチベーションの低下を伴う廃用性の諸問題が臨床家に難問としてのしかかってくる.
障害が重複している後期高齢者では消極的な対応になる傾向があるが,ときに予想以上の効果を得ることがある.経験則の域をでないことが多いが,何が功を奏したのか,総論ではなく,各論的に評価の視点や対策を考える必要がある.それは患者の身体機能だけではなく,心身に影響を与える環境因子としての家族や医療スタッフの関与,アプローチの内容なども重要な評価対象になる.そのための評価をどのように行うか,高齢障害者では切り離せるものではないが,ここでは中枢神経系,骨関節系,呼吸・循環系それぞれについて述べる.
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