Japanese
English
調査
脳損傷者に対する包括的・全体論的リハビリテーションプログラムの実践
Practice toward the holistic neuropsychological rehabilitation program for traumatic brain injury patients.
永吉 美砂子
1
,
上田 幸彦
1
,
高橋 雅子
1
,
石井 里衣
1
,
中島 大輔
1
,
安野 敦子
1
,
内田 恵
1
,
塩永 淳子
1
Misako Nagayoshi
1
,
Yukihiko Ueda
1
,
Masako Takahashi
1
,
Rie Ishii
1
,
Daisuke Nakajima
1
,
Atsuko Yasuno
1
,
Megumi Uchida
1
,
Atsuko Shionaga
1
1福岡市立心身障害福祉センター
1Fukuoka City Handicapped Person's Welfare Center
キーワード:
脳損傷
,
包括的・全体論的リハビリテーション
,
高次脳機能障害
,
認知障害
Keyword:
脳損傷
,
包括的・全体論的リハビリテーション
,
高次脳機能障害
,
認知障害
pp.73-81
発行日 2005年1月10日
Published Date 2005/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100011
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はじめに
脳損傷による後遺症は,身体障害や認知障害のほか,感情障害,行動障害,対人関係の障害など多彩で,若年層が多いことから,派生する心理社会的な問題は重大である.
Malecら1)により定義された脳損傷の包括的・全体論的リハビリテーションプログラムは,Ⅰ.神経心理学的方向付け,Ⅱ.統合的治療,Ⅲ.グループによる介入,Ⅳ.専用の資源,Ⅴ.チームの一員に神経心理学者が存在,Ⅵ.近親者の正規の参加,Ⅶ.試験的な雇用あるいは自立生活,Ⅷ.多面的な結果の評価が行われること,である.
これらは多彩な症状を考慮して組み立てられており,このプログラムを受けた者は,認知機能,情緒,社会的機能が改善し,71~87%がボランティアや雇用につくことができるという報告がある2).
福岡市立心身障害福祉センターは(以下,心障センター),国(厚生労働省)の行う高次脳機能障害支援モデル事業に,2002年度から参画した.これを契機に,医療と福祉の両方の機能をもつ身体障害者福祉センターA型という利点を生かし,現行の医療制度の枠組みのなかで,2002年5月から1年間,包括的・全体論的リハビリテーションプログラムを実践したので,その効果を検証し,報告する.
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