特集 睡眠と理学療法の深い関係
—エディトリアル—睡眠と理学療法の深い関係
金谷 さとみ
1
Satomi KANEYA
1
1城西国際大学福祉総合学部理学療法学科
キーワード:
睡眠
,
理学療法
,
forbidden zone for sleep
Keyword:
睡眠
,
理学療法
,
forbidden zone for sleep
pp.894-899
発行日 2023年8月15日
Published Date 2023/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551203142
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睡眠と覚醒は,生物時計によるサーカディアンリズムと覚醒時間の長さや活動により量と質が決定されるホメオスタシス(恒常性)によって制御されており,睡眠は脳や身体を正常に保つための重要な役割を果たす.つまり睡眠は,覚醒時に繰り広げられる生活の根幹をなすと言っても過言ではない.理学療法士は患者の疾患・障害だけでなく「生活の質」を高める役割も担うため,見過ごせない部分である.しかし,誰もが毎日体験する睡眠・覚醒という状態の調整に関して,私たちは積極的に理学療法に取り入れてはいなかった.
近年,睡眠への関心度は「どの程度睡眠がとれたか」という量的なものから,「よい睡眠がとれたか」という質的なものへと変化している.また,睡眠を左右するものが日中の活動や運動であることも徐々に認知され,運動に関して言えば,これも量的なものから「どのような運動がよいか」という研究に変わっている(後述).
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