連載 単純X線写真 読影達人への第一歩・第4回
無気肺
及川 真人
1,2
,
花田 匡利
1,2
,
名倉 弘樹
1,2
,
竹内 里奈
1,2
,
神津 玲
1,2
Masato OIKAWA
1,2
,
Masatoshi HANADA
1,2
,
Hiroki NAGURA
1,2
,
Rina TAKEUCHI
1,2
,
Ryo KOZU
1,2
1長崎大学病院リハビリテーション部
2長崎大学大学院医歯薬学総合研究科理学療法学分野
pp.751-756
発行日 2023年7月15日
Published Date 2023/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551203106
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【症例情報】
●患者情報:60歳台,男性.
●現病歴:癒着性イレウスのため当院救急搬送.保存的加療で腹部症状の改善を認めず,腹腔鏡下にてイレウス解除術施行.術後の炎症反応遷延と酸素化障害残存のため,術後第4病日に理学療法紹介.
理学療法開始時所見
●自覚症状:安静時よりNumerical Rating Scale(NRS)4/10(やや強い)の術創部痛あり,咳嗽時には7〜8/10まで増強.また体動時にめまいと嘔気あり.
●バイタルサイン:鼻カニュラを使用して酸素2L/分投与下で経皮的酸素飽和度(SpO2)95%,心拍数102回/分,体温38.5℃.
●身体所見:呼吸数20回,触診にて左の下部胸郭で胸郭拡張が減少.聴診では肺野全域で肺胞呼吸音が減弱しており,左背側では気管支呼吸音を聴取.腹部は膨満で触診上やや硬く,打診にて鼓音を認めた.四肢末梢は温暖で足背に浮腫あり.
●血液・生化学検査所見:白血球7,800/μL,ヘモグロビン9.8g/dL,C-reactive protein(CRP)29.1mg/dL.
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