Japanese
English
症例報告
予期不安をもつパーキンソン病患者のすくみ足に対する認知行動療法と運動療法を組み合わせた介入効果—ケーススタディ
Effect of the combination with exercise and cognitive-behavioral therapy on freezing of gait for a patient with Parkinson's disease who has an anticipatory anxiety: a case report
太田 経介
1
,
中城 雄一
1
,
森若 文雄
2
,
萬井 太規
3
Keisuke OTA
1
,
Yuichi NAKASHIRO
1
,
Fumio MORIWAKA
2
,
Hiroki MANI
3
1医療法人北祐会北海道脳神経内科病院リハビリテーション部
2医療法人北祐会北海道脳神経内科病院神経内科
3大分大学福祉健康科学部理学療法コース
キーワード:
パーキンソン病
,
すくみ足
,
不安症状
,
認知行動療法
Keyword:
パーキンソン病
,
すくみ足
,
不安症状
,
認知行動療法
pp.738-743
発行日 2022年6月15日
Published Date 2022/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202716
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨 【はじめに】すくみ足(freezing of gait:FOG)に情動的側面の関与が疑われたパーキンソン病(Parkinson's disease:PD)患者に対し,認知行動療法を併用した運動療法介入が奏効した症例を経験したため報告する.【症例紹介】症例は,発症から3年で急速にFOGが進行したPDの70歳台男性.理学療法介入に加え(A期),認知行動療法を適用した(B期).FOGに対する情動的側面の改善のため,負の思考と行動に隔たりをもたせること(認知的脱融合),FOGからの回避行動の制限(受容)を図った.【結果】A期では,身体機能面への理学療法介入にて姿勢制御能力は向上したが,FOGの変化は乏しかった.B期では,FOGの出現回数および持続時間の減少,不安尺度の改善を認めた.【結論】FOGに対する介入は,身体機能面や認知的側面および情動的側面といった種々の要因から介入する必要がある.情動的側面の関与が示唆されるFOG症例に対する認知行動療法は有用である可能性が示唆される.
Copyright © 2022, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.