Japanese
English
症例報告
著明なすくみ足を認めるパーキンソン病患者に対する臨床推論の実践
Clinical reasoning for Parkinson's disease with severe freezing of gait
福本 悠樹
1
,
鈴木 俊明
1
Yuki FUKUMOTO
1
,
Toshiaki SUZUKI
1
1関西医療大学大学院保健医療学研究科
キーワード:
パーキンソン病
,
すくみ足
,
臨床推論
Keyword:
パーキンソン病
,
すくみ足
,
臨床推論
pp.473-477
発行日 2022年4月15日
Published Date 2022/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202645
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要旨 症例は,重度のすくみ足により歩行障害が認められたパーキンソン病患者である.動作特徴として,右足尖が床に接地し続けた状態で右股関節と膝関節の屈曲,右足関節底屈と右中足指節関節伸展が生じ,右踵離地する.その後も右足関節底屈と膝関節屈曲が継続することで足尖離地が困難なすくみ足を認めた.動作分析に基づき骨格筋レベルで機能障害の仮説を立て検証した結果,ヒラメ筋の筋緊張亢進と前脛骨筋の筋緊張低下を認めた.さらに表面筋電図測定においては,ヒラメ筋は立脚相で常に活動し,前脛骨筋は踵接地から荷重応答期間のみ活動していた.両筋群に対する理学療法実施後,ヒラメ筋は足尖離地に向けて活動が収束,前脛骨筋も踵接地から荷重応答期と踵離地から足尖離地の二峰性で活動を認めるようになり,いずれも正常な筋活動パターンへと変化し,すくみ足は著明に改善した.動作分析に基づく臨床推論が,すくみ足の改善にも有用であることが示唆された.
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